除湿機のコンプレッサー式 とデシカント式、ハイブリッド式の他に、最近コンデンス式除湿機があると知りました。
コンデンス式について、詳しく教えてほしいです。
2016年に発売された株式会社カンキョーの「コンデンス除湿機AZRプラス」。
2024年除湿機の市場でも、湿気対策に優れたコンデンス式除湿機は注目のモデルの1つです。
本記事では、2024年時点でのコンデンス式除湿機の最新モデルを紹介し、その特徴やメリットについて解説します。
- 除湿能力
- 省エネ性能
- 空気清浄機能
など、コンデンス式モデルの強みを詳しく見ていきましょう。
コンデンス式除湿機とは?仕組みを紹介
2つの熱交換器で湿気を取る
コンデンスの除湿方式の特徴は、2つの熱交換器で熱交換を2回行うことです。
ツイン熱交換方式によって、湿気をギュッと凝縮(コンデンス)して搾り取ります。
熱交換機1
吸湿ローターからヒーターの熱で押し出された高温多湿の空気が、吹き出し口の送風と熱交換をします。
熱交換機2
吸い込んだ空気が、熱交換ユニットの間を通り抜け熱交換されます。
内部では凝縮された水蒸気が水に変わり、タンクに溜まる仕組みです。
フロンを使わない除湿方式
コンデンス式除湿機は、デシカント式と同じくコンプレッサーを使用しないので、「フロン類」を一切使いません。
株式会社カンキョーは、砂漠での「無電力造水システム」など、もともと地球環境への取り組みを行ってきた企業。
コンデンス式は、その技術を応用して開発された、「株式会社カンキョー」独自の除湿方式です。
フロンガスは適切な処理が必要
フロンは、正式には「フルオロカーボン」という、炭素とフッ素の化合物。
無毒性、不燃性、化学的安定性といった優れた性質をもっています。
現在もエアコンや冷蔵庫、コンプレッサー式除湿機などの冷媒として広く一般的に使用中です。
しかし、オゾン層の破壊や地球温暖化を促進する物質として、法律により大気放出が厳しく禁止され、順次影響の少ないものへの切替えが進められています。
(参考元:京立商事株式会社;フロンガスとは)
フロンガスが使用されている製品は、
- 環境負荷の低い物質に処理するか
- 再生利用をするか
といった、処分の際に処理が必要です。
(参考元:ダイキン;フロンガスの回収・再生・破壊のプロセスと環境への影響を徹底解説)
エアコンや冷蔵庫、コンプレッサー式除湿機は、使用後に販売店や自治体、ごみ処理業者へ、しっかりと回収してもらいましょう。
コンデンス式除湿機のメリット
コンデンス式除湿機のたくさんのメリットについて紹介します。
コンデンス式除湿機のメリット
気温に左右されない除湿力
コンデンス式除湿機は気温に左右されず、1年中安定した除湿力を発揮します。
梅雨や夏場の高温多湿でも、寒い冬の低温環境であっても、性能を落とさずパワフル除湿が可能です。
ノンフロンの技術で環境にやさしい
コンプレッサーを使用しないので、「フロン類」を一切使いません。
地球環境への取り組みを行ってきた「株式会社カンキョー」の独自技術から生まれた除湿機です。
3Dドライベールで素早く乾燥
カンキョーのコンデンス式除湿機は、大風量で衣類乾燥をします。
新搭載の3次元ルーバーが作り上げた、乾燥風のべールが洗濯物を覆うのです。
べールの外へ湿気をいっきに追い出します。
最大で上下160°、左右130°という超広角の稼働域をもつ、3次元ルーバーが作り出す乾燥気流『3Dドライベール』。
広い範囲に乾燥風を大風量のまま届けるため、洗濯物をすばやくムラなく乾かすことが可能です。
優れた消臭機能
カンキョーのコンデンス式除湿機「AZRプラス」は、消臭性能も優秀です。
ファイラックシーティー(CT触媒)を採用し、除湿ローターに加えています。
除湿ローターに付着した汚染物質や汚れは分解されて、無害なものへと変化。
悪臭成分や汚れ成分が分解されて、消臭をします。
布団乾燥にも強い
「布団干し」はけっこう面倒で、家族分ともなれば、かなり重労働になってきます。
汗を吸ったお布団でも、直接乾いた風を当てることで、約1時間ほどで除湿乾燥できます。
エコ調湿センサー付き
カンキョーのコンデンス式除湿機「DBX-AZRプラス」は、エコ調湿センサーを搭載しています。
湿度の低い時は、自動的に消費電力を抑えることが可能です。
「おまかせ」モードでは約35%、「eco調湿」モードでは約55%の省エネを実現。
きめ細かく運転をコントロールできます。
セルフクリーニング機能を搭載
コンデンス式は、吸湿ローターで吸収した湿気を小型ヒーターで加熱し、外気と離れたところで水にします。
外気と離れ、かつ加熱を行うため、カビや雑菌が繁殖しづらい構造です。
内部が清潔に保たれ、運転中にカビや雑菌をまき散らす心配もありません。
多彩な運転モード
用途に合わせて、様々な運転モードが選べます。
効果的に除湿をしたい方におすすめです。
- 除湿モード
-
部屋の除湿乾燥に、スタンダードに使用できる運転モード
- おまかせモード
-
乾燥風を下向きに吹き出す運転モード
- 衣類パワードライモード
-
大風量の3Dドライベールの効果で最も乾燥力のある運転モード
- 収納・寝室・寝具モード
-
乾燥風を下向きに吹き出す運転モード
- 夜干しモード
-
運転音を控えめにした運転モード
- あぜくらモード
-
空気の乾燥を防ぎつつ「洗濯物」を部屋干しできる運転モード
- はるかぜモード
-
温度を最小限に抑え、さわやかな乾燥風を保つ運転モード
- あったかモード
-
湿気をしっかり取りながら、暖かさも生み出す運転モード
コンデンス式除湿機のデメリット
コンデンス式除湿機のデメリットについて紹介です。
生産メーカーが少なく製品比較ができない
コンデンス式除湿機のデメリットは、生産メーカーが限られていることです。
例えば「カンキョー株式会社」が、唯一のコンデンス式メーカーとして知られています。
しかし、それ以外の選択肢がないため、製品間で比較ができません 。
自分のニーズにあった最適なモデルを見つけるには、製品の比較はとても重要な作業です。
現状では、コンデンス式同士の比較はできないので、除湿方法が近い「デシカント式」と比べて選ぶのが良いでしょう。
コンデンス式除湿機の選び方
コンデンス式除湿機を選ぶときのポイントを紹介します。
コンデンス式除湿機の選び方・ポイント
除湿方式をチェック
除湿機の除湿方式には5種類あります。
- コンプレッサー式
- デシカント式
- ハイブリッド式
- コンデンス式
- ペルチェ式
ペルチェ式は、クローゼットやトイレといった、より狭い空間の除湿に向いています。
部屋の除湿と衣類乾燥を考えるのであれば、
- コンプレッサー式
- デシカント式
- ハイブリッド式
- コンデンス式
の4種類になります。
コンデンス式は市場にほとんど出回っていないので、一般的な方式といえば、
- コンプレッサー式
- デシカント式
- ハイブリッド式
の3つ。
中でも、コンデンス式の購入を検討する際には、除湿方法が似ているデシカント式のモデルと比較をするのが良いでしょう。
除湿方式については、下の記事で詳しく解説しています。
除湿能力をチェック
除湿能力は、除湿機を選ぶ際の重要なポイントです。
基本的には「定格除湿能力」で比較・判断します。
部屋の大きさ(畳数・平方メートル)や湿度の高さを調べて、適切な除湿能力を選びましょう。
リビングルームや大きな部屋、衣類乾燥の除湿には高い除湿能力(10L/日以上)が目安です。
6畳ほどの部屋や一人暮らしのワンルームであれば5L/日以上を目安にしましょう。
適用畳数をチェック
除湿機の選び方において、使用する部屋の広さに適した除湿能力を持つ機種を選ぶことは重要です。
製品には適用床面積(畳数や㎡)が記載されているので、畳数や㎡を参考に選びましょう。
各家庭で、利用する場所や運転音へのこだわりも異なります。
衣類乾燥をメインにするなら、考えている部屋の畳数・㎡よりも広くてパワフルなものを選びましょう。
わが家を目安に紹介すると、6畳の部屋で家族4人分の洗濯物を一気に乾かすのに19畳用(60Hz:プレハブ32㎡)のハイブリッド式モデルを使っています。
タンク容量をチェック
排水タンクの容量が大きい除湿機は、水を捨てる手間が少なくなります。
一方、タンクが小さいと頻繁に水を捨てる必要があるため大変です。
衣類乾燥がメインの利用で、長時間にわたって連続運転する場合は、大容量タンクの機種がおすすめです。
家族で「衣類乾燥除湿機」を利用するなら、3L〜5Lを目安にしておくと良いでしょう。
一人暮らしなら、2Lからでも問題ありません。
電気代の安さ
除湿機を購入する際には、コスト意識を持つことも大切です。
各除湿方式には、電気代に傾向があります。
- コンプレッサー式:ヒーターを使わないため消費電力は低く電気代が安い
- デシカント式:ヒーターを使うため消費電力は高く電気代が高い傾向
- ハイブリッド式:季節や気温に応じてコンプレッサー式とデシカント式を切り替えるため年間を通して節約が可能
コンデンス式除湿機「DBX-AZRプラス」は、1時間あたりの電気代の目安が7.8円の低コストです。
コンプレッサー式除湿機と同程度の電気代の安さになると考えて良いでしょう。
省エネ機能をチェック
カンキョーのコンデンス式除湿機「DBX-AZRプラス」は、エコ調湿センサーを搭載しています。
湿度の低い時は、自動的に消費電力を抑えることが可能です。
コンデンス式に限らず、除湿機の最新モデルでは省エネ機能が搭載されており、エコ運転モードなどを利用することで、コスパの良い除湿が実現できます。
寝室なら運転音35dB以下がおすすめ
設置場所や使用時間帯によって、除湿機の運転音が気になってしまうこともあります。
音の大きさ | 音の大きさのめやす |
---|---|
60デシベル | 普通の会話、静かな乗用車 |
50デシベル | 静かな事務所 |
40デシベル | 昼間の静かな住宅地、図書館 |
30デシベル | 深夜の郊外、ささやき声 |
20デシベル | 木の葉のふれあう音 |
たとえば、わが家が使っているハイブリッド式除湿機の運転音は49dB。
同室で過ごす音としては大きいです。
衣類乾燥で除湿機を使うなら、専用に部屋を設けることをおすすめします。
夜間に寝室での使用を考えている場合は、静音設計の機種を選ぶと快適に過ごせるでしょう。
「深夜の郊外・ささやき声」レベルに近い、運転音が35dB以下に調整できるものが良いです。
静音モード機能もチェック
静音モードを搭載した除湿機は、通常の運転音を抑え、夜間や就寝中でも安心して使用できます。
しかし「除湿弱」や「衣類乾燥弱」、「衣類乾燥音控えめ」といった静音モード機能を利用すれば、40dB以下に調整できます。
運転音をほとんど気にすることなく生活できるでしょう。
本体サイズを選ぶ
除湿機のサイズや重量も選ぶ際の大切なポイントです。
通常、
- 高さ:500mm〜700mm
- 幅:300mm〜400mm
- 奥行き:200mm〜300mm
※100mmは10㎝。
が一般的です。
一人暮らしのワンルームや6畳ほどの部屋の場合には、コンパクトで軽量なモデルが便利です。
コンパクトモデルは、本体サイズの高さが550mm以下、重量が10kg以下が目安。
持ち運びが簡単で、必要な場所へ簡単に移動できます。
衣類乾燥にはルーバー(羽)つきがベスト
ルーバーは風の向きを調整する重要なパーツで、効果的な衣類乾燥や部屋の除湿に大きく関わります。
ワイド送風ルーバーなど、幅広い送風ができるルーバーを搭載したモデルは、大量の衣類を均等に乾かすことが可能です。
風が全体に行き渡るため、ムラなく衣類を乾燥できます。
さらに、ルーバーの角度を調整できる機種なら、部屋の隅々まで効率的に風を送り、除湿効果を高めることが可能です。
空気清浄機能も注目
最近では、除湿にプラスして「空気清浄機能」を搭載したモデルも多いです。
除湿機に「空気清浄機能」が搭載されていると、除湿だけでなく、
- 空気の清浄化
- 消臭
- 除菌効果
も期待できます。
近ごろは黄砂やPM2.5といった有害物質を避けるために、部屋干しする方も多いのではないでしょうか?
有害物質や花粉、ホコリ、ペットの臭いなどが気になる方には、空気清浄機能付きのモデルが絶対おすすめです。
私は年中部屋干しなので、除湿機の空気清浄機能は欠かせません。
お手入れのしやすさをチェック
フィルターや排水タンクの掃除がしやすい機種を選ぶことも頭の片隅に置いておきましょう。
フィルターや排水タンクの取り外しが簡単で、手入れが楽なデザインのものを選ぶと、長く清潔に使用できます。
内部乾燥機能をチェック
除湿機を長持ちさせ清潔な使用を保つためには、内部乾燥機能の有無も重要です。
内部に溜まった湿気を自動で乾燥させる機能があると、カビや雑菌の繁殖を抑え、衛生的に使えます。
口コミ・評判やレビューもチェック
製品の口コミやレビューは、実際の使用感や信頼性を確認する上で役立ちます。
コンデンス式除湿機のデメリットは、生産メーカーが限られていること。
「カンキョー株式会社」が唯一のコンデンス式メーカーとして知られていますが、それ以外の選択肢がないため、製品間の比較ができません 。
実際に使用したユーザーの口コミ・評判は、1つの指標となります。
良い評価だけでなく、悪い評価にも必ず目を通して把握しておきましょう。
除湿機の選び方は、下の記事で詳しく解説しています。
コンデンス式除湿機は「DBX-AZRプラス」がおすすめ
2024年現在、唯一販売されているコンデンス式除湿機「DBX-AZRプラス」(カンキョー株式会社)の性能を総合的に評価しました。
コンデンス式除湿機の評価基準
評価基準は、当サイト「デシカント式除湿機ランキング」の基準を採用しました。
- 除湿機の価格(税込)は「価格.com:最安値」(2024年6〜9月)を目安として使用しました。
- 除湿力は「定格除湿能力」※1が5L/日以上を超えるモデルを「良」としています。
- 衣類乾燥時間※2は、「80分以下」を優とし、「100分以下」を良、「101分以上」を可としました。
- 本体サイズは評価の対象としていません。
- 「部屋のサイズ」は畳数が大きい、「タンク容量」は大容量のものを上位としました。
- 電気代は「1時間あたりの電気代」を目安に、金額が小さいものを上位としています。
- 「省エネ機能」は、メーカー独自技術や切タイマー・オートオフ機能が搭載されているものを上位としました。
- 運転音は、50dB(デシベル)以下を通常音レベルの目安とし、40dB以下を高ポイントとしています。
- 静音モードは「あり・なし」で分類し、「あり」を得点としました。
- 「空気清浄機能」はメーカー独自機能やフィルターが搭載されているモデルを上位としました。
- なお、メーカー公式サイトに情報の記載がないものは一律「評価なし」※3としています。
※1「定格除湿能力」とは、1日あたりに除湿できる水の量のことです。
※2 除湿機の衣類乾燥性能は一般社団法人日本電機工業会 自主基準(JEMA-HD090:2017)に基づき試験を行った値です。洗濯物:2kg相当(Tシャツ3枚、Yシャツ2枚、パジャマ1組、下着7枚、靴下2足、タオル3枚)、実使用時の衣類乾燥時間は使用環境・使用条件により異なりますので目安として参考としてください。
※3 情報がなく「評価なし」によって得点化できないものもありますのでご了承ください。
コンデンス式除湿機の性能は、除湿方法が似ている「デシカント式除湿機」と比べながら検討するとよいでしょう。
カンキョー 「DBX-AZRプラス」
項目 | 除湿機の詳細 |
価格(目安)円 | 59,800 |
除湿方式 | コンデンス式 |
衣類乾燥時間(分) | ー |
除湿力(L/日) | 8 |
部屋の大きさ(畳数) | 10畳〜20畳 |
本体サイズ:単位mm (高さ×幅×奥行×重量) | 592×372×214×7.9kg |
タンク容量 | 3.4L |
電気代 | 7.8円 |
省エネ機能 | 切タイマー2・4・8時間 eco調湿 |
運転音 | ー |
静音機能 | 夜干しモード |
空気清浄機能 | CT触媒 悪臭や汚れ成分を分解・消臭 |
内部乾燥機能 | セルフクリーニング機構 |
除湿機を購入する
デシカント式ランキングは、下の記事で詳しく解説しています。
コンデンス式除湿機によくある質問
コンデンス式除湿機によくある質問にお答えします。
生産メーカー「株式会社カンキョー」を紹介
株式会社カンキョーは、除湿機や空気清浄機をはじめとする環境関連の製品を手掛ける日本の企業です。
高知県南国市に本社を構え、独自の技術開発を通じて、高性能でエコロジーな製品を市場に提供しています。
除湿機では「コンデンスAZシリーズ」が有名です。
乾燥力にこだわった商品で、家庭用として広く使われています。
カンキョーはアフターサービスにも力を入れており、ユーザーが長期的に安心して使える製品を提供している点で評価が高いです。
会社名 | 株式会社カンキョー |
---|---|
本社 | 〒783-0004 高知県南国市大埇甲374-2 |
設立 | 1984年3月 |
資本金 | 9,500万円 |
事業内容 | 健康な住環境を創造する環境制御機器の研究開発・製造・販売 |
事業所 | 東京オフィス :東京都世田谷区等々力4-1-1 カンキョー営業部(サービスセンター):〒390-1401長野県松本市波田9949-1 |
Webサイト | 公式サイトを見る |
まとめ:2024年の注目モデル!おすすめのコンデンス式除湿機の最新情報を紹介
本記事では、2024年版コンデンス式除湿機の最新モデルを紹介し、その特徴やメリットについて解説しました。
除湿能力や省エネ性能、空気清浄機能など、コンデンス式モデルの強みを詳しく理解した上で、ご購入くださいね。
部屋の除湿や衣類乾燥に適した除湿機には、他にも
- コンプレッサー式
- デシカント式
- ハイブリッド式
と、たくさんのモデルがあります。
下の記事を参考に、多くの除湿機に目を通して、自分にあった最高の1台を見つけてください。
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