- 梅雨から夏にかけて雨が多いので、除湿機を買おうと思ったんですが、やはり電気代が怖いです。
- 除湿機を使うと電気代がどのくらいになるのか?教えてほしいです。
除湿機の購入を検討し始めると、気になってくるのは、やはり電気代でしょう。
本記事では、除湿機の方式別の電気代や節約方法をわかりやすく解説します。
本記事を読めば、除湿機の電気代の目安がわかり、安心して除湿機を使用できるようになります。
わが家の電気代を紹介
わが家は、ハイブリッド式の「衣類乾燥除湿機」を14年間、使用中です。
洗濯物を乾かすとき、除湿(強):電力255W(約8円/H※)を多用します。
1日に1回6時間タイマーを使って利用したとすると、1日の電気代は48円。
2日に1回洗濯物を干すとすれば、1ヶ月のうち約15日除湿機を使います。
除湿機の電気代: 48円/日 × 15日 = 720円/月
1ヶ月で720円の電気代がかかる計算です。
消費電力は、使用する除湿機の種類や季節、運転モードによって異なるので、目安として参考にしてください。
※1kWh単価31円で計算
除湿機の5方式の特徴
除湿機の除湿方式は、一般的に5つのタイプに分かれます。
まずは、それぞれの特徴を簡単に説明しておきますね。
コンプレッサー式の特徴
出典:一般社団法人 日本冷凍空調工業会
コンプレッサー式の除湿機は、冷媒を使用して空気を冷やして、湿気を除去します。
エアコンの除湿と似ていて、高温多湿の梅雨の時期や夏に効果的です。
メリット | デメリット |
---|---|
夏場に強力な除湿効果を発揮 消費電力が比較的低い | 低温時には効率が低下する 冬場は洗濯物が乾きにくい コンプレッサー搭載なので重い |
デシカント式の特徴
出典:一般社団法人 日本冷凍空調工業会
デシカント式の除湿機は、乾燥剤を使用し空気中の湿気を吸収します。
除湿した空気はヒーターで乾燥されるので、低温になりやすい冬場の除湿に効果的です。
メリット | デメリット |
---|---|
冬の低温時に高い除湿効果を発揮 ヒーターを使うので冬は暖かい コンパクトで持ち運びがラク 置き場所にも困りにくい | 高温環境では効率が低下 夏はヒーターで部屋が暑い 消費電力が高い |
ハイブリッド式の特徴
ハイブリッド式の除湿機は、コンプレッサー式とデシカント式の両方のメリットを組み合わせた方式です。
いわゆる良いとこどり。
季節を問わずに使用でき、年間を通じて高い除湿効果を得られます。
メリット | デメリット |
---|---|
除湿能力はパワフル 季節や温度に応じて最適な除湿ができる 1年中部屋干しの衣類乾燥に困らない | 本体ボディが大きくなりがち 価格が高くなりやすい |
コンデンス式の特徴
コンデンス式の除湿機は、2つの熱交換器を使用して、湿気を凝縮(コンデンス)させて除去します。
デシカント式と同じく、フロンを使わないコンデンス式。
室温に左右されず、1年中しっかり除湿乾燥できる技術です。
メリット | デメリット |
---|---|
冬場に除湿乾燥能力が落ちにくい ノンフロンで環境に優しい 比較的コンパクトで軽い | コンデンス式製品は少ないので商品が限られる |
ペルチェ式の特徴
ペルチェ式の除湿機は、ペルチェ素子を使用して空気を冷却し、湿気を冷やして除去します。
コンプレッサーを使用しないので、コンパクトなサイズ。
狭い空間に最適です。
メリット | デメリット |
---|---|
コンパクトサイズ クローゼット(押入れ)や靴箱、トイレに最適 静かな動作音 部屋の温度が上昇しない | 除湿能力は低い リビングなどの広い部屋には不向き |
除湿機5方式の電気代の目安は?
5つの除湿方式の電気代を確認してみました。
除湿方式によって「どのくらい電気代に違いがあるのか」目安を確認しておきましょう。
本記事で基本とする電気代は、通常の除湿モード※1で除湿機を使用した「1時間あたりの電気代」になります。
1kWh単価 は31円の計算※2です。
あくまでも目安として参考にしてくださいね。
※1メーカー公式サイトで1時間あたりの電気代が示されている場合は、公式サイトの電気代を利用しています。
※2電気料金計算の参考ページはこちら
各除湿方式の「1時間あたりの電気代」目安
各除湿方式の「1時間あたりの電気代」目安は下記のとおりです。
除湿方式 | 1時間あたりの平均電気代 |
ペルチェ式 | 1.6円 |
コンデンス式 | 7.8円 |
ハイブリッド式 | 9.8円 |
コンプレッサー式 | 11.6円 |
デシカント式 | 16円 |
- 1番電気代が安くなるのは、ペルチェ式
- 1番電気代が高くなるのは、デシカント式
でした。
「電気代を安くしたいなら、ペルチェ式から除湿機を探せば良いのね。」
と、なってしまいそうですが、ちょっと待ってください!
電気代が安くなる =「除湿力の低下」+「除湿機がコンパクトになる」
ということも、考えておかなければなりません。
デシカント式でコンパクトサイズだけど電気代が高くなる、というような例外もあります。
しかし、多くの除湿機では、
ということを頭に入れておきましょう。
電気代の安さを追求した結果、除湿能力が落ちて、衣類乾燥能力や除湿力そのものが低下したのでは、本末転倒ですからね。
電気代も気にしつつ、用途に合わせた除湿機を選ぶことが大切です。
コンプレッサー式の電気代
コンプレッサー式は、デシカント式に比べて消費電力が少なく、電気代が安くなります。
メーカーや機種によって電気代は前後しますが、
「電気代を抑えるならコンプレッサー式」と覚えておきましょう。
コンプレッサー式では、メーカーを代表して、「シャープ、コロナ、三菱電機」の3メーカーから1機種ずつを選びました。
- シャープ「品番:CV-S180」=11円
- コロナ「品番:CD-WH1824」=11円
- 三菱電機「品番:MJ-PV250WX」=12.9円
※メーカーや機種によって電気代は前後します。
以上より、コンプレッサー式除湿機の1時間あたりの平均電気代=11.6円でした。
デシカント式の電気代
デシカント式は、コンプレッサー式やハイブリッド式の除湿機に比べて消費電力が多く、電気代が高くなります。
メーカーや機種によって電気代は前後しますが、
冬場で「電気代を気にせず除湿力を高めるならデシカント式」と覚えておきましょう。
デシカント式では、メーカーを代表して「パナソニック、シャープ、アイリスオーヤマ」の3メーカーから1機種ずつを選びました。
- パナソニック「品番:F-YZXJ60B」=9円
- シャープ「品番:CV-S60」=17円
- アイリスオーヤマ「品番:IJDC-N80」=22円
※メーカーや機種によって電気代は前後します。
以上より、デシカント式除湿機の1時間あたりの平均電気代=16円でした。
ハイブリッド式の電気代
ハイブリッド式は、コンプレッサー式とデシカント式の機能を併せもつため消費電力・電気代をコントロールできます。
季節に合わせて除湿できるため、ランニングコストが節電可能です。
電気代は「コンプレッサー式・デシカント式より安く抑えることもできる」と覚えておきましょう。
ハイブリッド式では、メーカーを代表して「パナソニック、シャープ、アイリスオーヤマ」の3メーカーから1機種ずつを選びました。
- パナソニック「品番:F-YHX200B」=10.6円
- シャープ「品番:CV-SH150」=9.5円
- アイリスオーヤマ「品番:IJH-L160」=9.3円
※メーカーや機種によって電気代は前後します。
以上より、ハイブリッド式除湿機の1時間あたりの平均電気代=9.8円でした。
コンデンス式の電気代
コンデンス式は消費電力が少なく、電気代は安くなります。
しかし、コンデンス式は1メーカー「カンキョー」の機種しかありません。
メーカーや機種による電気代の比較ができないのがネックです。
コンデンス式では、メーカー「カンキョー」の、DBX-AZRプラスの電気代を検証します。
- カンキョー「品番:DBX-AZRプラス」=7.8円
以上より、コンデンス式除湿機の1時間あたりの平均電気代=7.8円です。
ペルチェ式の電気代
ペルチェ式は、半導体技術によって除湿を行う新しい技術。
消費電力が少なく、電気代は安くなります。
ただし、本体サイズがコンパクトで除湿力は低い。
狭い空間の除湿に適していて、衣類乾燥には不向きです。
ペルチェ式は、Boweer、KOCEEY、Wolfhowlの3メーカーから1機種ずつを選んでいます。
- Boweer「品番:YP2118」=1.57円
- KOCEEY「品番:YP2318」=1.86円
- Wolfhowl「品番:D2」=1.57円
※メーカーや機種によって電気代は前後します。
以上より、ペルチェ式除湿機の1時間あたりの平均電気代=1.6円でした。
おすすめのペルチェ式除湿機は、下の記事で紹介しています。
除湿機の電気代を節約する方法
電気代を節約する方法は以下のとおりです。
消費電力の高いモードの使用回数を減らす
除湿機の運転モードには、強力な除湿を行う
- 「仕上げモード」
- 「ターボモード」
- 「速乾モード」
などがあります。
しかし、これらのモードは消費電力が高いです。
使用回数を減らすことで、電気代の節約になります。
運転モードによる電気代の違いを確認する
洗濯物の干し方を工夫する
洗濯物の干し方を工夫することで、除湿機の効果を最大限に引き出せます。
例えば、洗濯物の間隔をあけて干す。
空気の流れが良くなって、効率的に乾燥させることが可能です。
やはり、洗濯物に風が当たる所が一番乾きます。
除湿機の大風量で乾きを促進させて、運転時間を短縮させて節電しましょう。
サーキュレーターや扇風機と併用する
サーキュレーターや扇風機を併用することで、空気の循環が良くなり、除湿機の効果が高まります。
短時間で効率的に除湿でき、電気代を節約することができます。
タイマー機能を活用する
タイマー機能を活用することで、必要な時間だけ除湿機を運転させることができます。
無駄な電力消費を防ぎ、電気代の節約が可能です。
ほとんどの除湿機は、排水タンクが満杯になるまで稼働してしまうので、タイマー機能を有効活用しましょう。
私も4〜6時間タイマーなどをよく使います。
窓やドアを閉め部屋を密閉する
除湿機を使用する際は、窓やドアを閉めて部屋を密閉することで、外部からの湿気の流入を防ぎます。
効率的に除湿ができ、電気代の節約に繋がります。
部屋を締め切ると室温も上昇するので、乾いた風との連動で衣類も乾燥しやすいです。
除湿機のお手入れをこまめにする
フィルターやタンクの掃除をこまめに行うことで、除湿機の性能を維持することができます。
性能が低下すると、運転時間が長くなり電力消費が増えるため、お手入れは重要です。
電気料金の安い時間帯に利用する
電気料金が安く設定されている夜間や早朝に除湿機を使用することで、電気代を節約することができます。
他にも、家で「太陽光発電」をしている場合は、昼間の自家発電を利用して除湿機を使うのも良いでしょう。
最近は、売電価格も安いです。
電力を売るよりも自分たちで使う方が節電効果になります。
省エネモデルの除湿機に買い替える
最新の省エネモデルの除湿機は、消費電力が抑えられているため、買い替えをすることで長期的に見て電気代を節約できます。
たとえば、パナソニック独自の新方式「エコ・ハイブリッド式」は、従来のパナソニック製品の1/3の電力で除湿ができ、省エネに優れています。
「衣類乾燥除湿機」の最新モデルは、下の記事で詳しく解説しています。
除湿機の運転モードによる電気代の違い
除湿機の運転モードによって、消費電力と電気代は大きく異なります。
以下に、代表的な運転モードとそれぞれの電気代について比較してみました。
運転モードによる電気代の違い
通常除湿モード
通常の除湿モードは標準的な除湿運転を行うため、消費電力は低めです。
一般的な除湿機では、1時間あたり約300W(約9.5円)の消費電力となります。
衣類乾燥モード
衣類乾燥モードでは、強力な風を送り、短時間で衣類を乾かします。
消費電力が高くなり、1時間あたり約700W(約22円)以上の電力を使用する場合があります。
ターボモード
ターボモードも強力な除湿を行うモードで、最大級の消費電力を必要とします。
1時間あたり約700W(約22円)程度の電力を消費することも。
頻繁に使用すると電気代がかなり高くなるため、必要なときのみ使用することが推奨されます。
省エネモード
省エネモードは、消費電力を抑えつつ除湿効果を発揮するモードです。
1時間あたり約50(約1.5円)〜300W(約9.5円)程度の電力消費となり、電気代を抑えたい場合に適しています。
「寝ているときに静かに除湿してほしい」といった場面で活躍します。
まとめ「除湿機の電気代は安い?方式別の電気代や節約方法をわかりやすく隅々まで解説!」
除湿機は、各方式によって電気代に違いがあり、目安を意識するようにしましょう。
本記事で紹介した電気代の節約方法で、電気代を抑えながら快適な湿度を保ち、衣類乾燥ができます。
除湿機の適切な運転モードの選択でも、電気代の節約は可能です。
特に、消費電力の高い「衣類乾燥モード」や「ターボモード」は必要な時のみ使用し、「通常除湿モード」や「省エネモード」を効果的に活用することが重要です。
除湿機の電気代や選び方について、もっと詳しく知りたい方は、下の記事を参考にしてくださいね。
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